昔、欲深い男がいました。

男には弟がいて、その奥さんは、大層美人でした。

ある日、その弟は死んでしまいます。

欲の深い男は、その美人な奥さんを、そのままにしておくのは勿体無いと思いました。

そこで、隣村の金持ちの男に、彼女を売っぱらおうと考えます。

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売買は成立しました。

しかし、弟の奥さんは、強行すれば、死ぬ勢いで抵抗します。

そこで、欲深い男は、ある計画を立てます。

彼女は日課で、毎朝必ず、裏の畑に出ます。

そこを、買主の金持ちに、拐わせる事にしたのです。

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ある朝、金持ちの手下達が、その畑に来ます。

そして、女性を拐うのですが…

拐われたのは、弟の奥さんではありませんでした。

連れて行かれたのは、その朝、体調が思わしくない弟の奥さんに代わって、畑に出ていた女性だったのです。

それは、欲深い男の妻でした。

手下達は、畑にいる美人を拐ってこいとしか言われていなかったので、疑う事なく、彼女を拐って行ったのです。

欲深い男の妻も、かなりの美人だったのでした。。。

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欲深い男は、自分の妻が行方不明になってしまった事で、その事に気が気付きます。

「拐われたのは、自分の妻なので返してくれ!」

慌てて、隣村まで行った彼は、金持ちに掛け合います。

しかし、何処にそんな証拠があるのかと、取り合ってもらえません。

当の奥さんも、彼に言います。

「おまえなんか見た事ないし、知らない」

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数日後、欲深い男の妻と、弟の奥さんは、2人で誘い合わせて、何処かに逃亡してしまいます。。。




十三妹(シイサンメイ) (中公文庫)
武田 泰淳
中央公論新社
2002-05

    

    
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