「あ! あの人…」

「いるよー 時間通りだね、彼!」

大学の学食の、目当ての男の子から少し離れた所で、女の子達は盛り上がります。

「もういいかげん、声掛けなよ!」

「えっ!?」

「ていうか、この会話つつぬけだよ! 気付いてるって!!!」

「イケるって、大丈夫」

「そ…そうかな~」

「『ここ空いてる?』って、隣行きなよ。拒否るとか、まず無いし!」

「そうね…そうよね!」

「うん」

友人に促された女の子は、自分の昼食が載ったお盆を持って、目当ての男の子に近づきました。

目を閉じて、声を掛ける覚悟を決めます。

「こ…こっココッ、開いてるかなっ!?」

女の子は、暫く待ちますが、何の反応もありません。

不安になって、思い切って目を開けてみると…

─ 目の前の席に座っているはずの男の子は、忽然と姿を消していたのでした。。。

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声を掛けに行った女の子を、離れた場所から見守っていた友人達は、唖然とします。

「…さっきからの会話聞いてて、この対応はヒドくない?」

「ないって!」

「むしろ向こうが気イ遣え!」

「ていうか、いなくなり方が、消失レベルじゃない?」

呆然と立ち尽くす女の子に、友人達は駆け寄りました。

「あんな男子、やめちまえって!!」

「もっといい、ハイスペック彼氏いるって!!」

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声を掛けられそうになった男の子は、女の子の集団から逃げ切った事を確信し、安堵のため息を付きます。

「やばかった…あと少しで…知らない人に声をかけられるところだった。超こわい。。。」




    

    
★過去の作話★「月白の諧謔」

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