銀曜日の戯言

領国は越前敦賀 官位は従五位下 官職は刑部少輔

「契りあらば 六の巷に まてしばし おくれ先立つ 事はありとも」

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当ブログでは、コミックや文字本の、興味深かったエピソードや、個人的な駄文、オリジナルの作話を掲載しています。

ぶたぶた

何ですか?!

ステーキハウスを訪れたのは、何と ぶたのぬいぐるみでした。

単独ではなく、30代ぐらいの女性と、女の子2人を同伴して。

一行を席に案内するフロアマネージャー。

スタッフエリアに戻った彼女に、サーバーの女の子達が、一斉に尋ねます。

「何ですか?! あの、ぬいぐるみ!」

「動いてましたよ!」

「しゃべるんですか?!」

「一緒にいる人たちは、何!?」

「ああっ! お水飲んでる!」

ぬいぐるみを盗み見るスタッフを店長が注意します。

「こらこら。仕事、仕事しなさい!」

持ち場に慌てて戻るスタッフ。

フロアマネージャーだけが、店長に引き止められます。

「で、あの ぬいぐるみは…何?」

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注文されたワイン。

それを、ぬいぐるみと3人のテーブルに運び終わったフロアマネージャーは、スタッフエリアまで、一目散に戻って来ました。

「どうしたんですか? なんか顔が青いですけど…」

スタッフの問い掛けに、フロアマネージャーが呟きます。

「親子よ。」

「あの3人、あれだけ そっくりですから、別におかしくは…」

「ぬいぐるみと…あの2人の女の子がよ!」

「ええっ?!」

「今、ぬいぐるみの事を…『お父さん』って呼んでたの!!」



ぶたぶたの休日 (徳間文庫)
矢崎 存美
徳間書店
2013-02-01

    

    
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コーヒーショップ…

列車の発車時刻までには、まだ時間があります。

そこで私は、駅のセルフサービスのコーヒーショップに入りました。

コーヒーを受け取り、開いてるスツールを探します。

ちょっと煤けた桃色で、右耳がそっくり返っている、ぶたのぬいぐるみが置かれた隣が空いていました。

スツールに腰を降ろす私。

すると、さっきのぬいぐるみが、白いカップを両手に持ち、椅子に立ち上がって、コーヒーを「ごくごく」と飲み干し始めたのです。

私は、呆気に取られます。

コーヒーを飲み終えた ぶたのぬいぐるみは、頭の上にコーヒーカップを乗せ、そのままスツールから飛び降りると、店員にカップを返して、店から出て行ったのでした。。。

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コーヒーを飲み終わった私が、立ち上がろうとした時。

隣のスツールの上で光る何かに気が付きます。

手を伸ばしてみると、それは、手作りらしいマスコットのついた、キーホルダーでした。

「さっきの ぬいぐるみが忘れていった?」

そう判断した私は、店を出て、ぬいぐるみの行方を探す事にします。

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改札口を ぬいぐるみが通らなかったか確認しようと、私は駅員に近づきました。

しかし、いざとなると、なかなか言葉が出てきません。

「どうなさいました?」

にこやかな顔で親切そうに、声を掛けてくれる駅員。

私は、勇気を出して訊いてみます。

「あの…この改札を、ぬいぐるみが通りませんでしたか?」

「は?」

駅員は、変な顔をしながらも、律儀に答えてくれました。

「いいえ…そのようなものは、通りませんでしたけども。。。」

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別の改札に廻った私は、再び駅員に尋ねます。

「す、すいません… この改札を、ぬいぐるみが通りませんでしたか?」

「ああ。さっき、ぶたのぬいぐるみが通りましたけど」

あっさりと肯定され「変だと思わなかったの!?」と問い詰めたくなる私。

一歩踏み出そうとした瞬間、私は気が付きます。

駅員の顔に「あれを見たのは、あたしだけじゃないのね!」とでも言いたげな表情が浮かんでいたる事に。

お礼の言葉だけを口にしてから、私は改札口を通ります。

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結局私は、駅のホームで ぶたのぬいぐるみに追いつき、無事にキーホルダーを渡す事が出来たのでした。。。



ぶたぶたの休日 (徳間文庫)
矢崎 存美
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じゃあ、オレンジジュース

「どっちがいいです?」

ぶたのぬいぐるみは、ポカリスエットとオレンジジュースの缶を差し出しました。

「─ じゃあ、オレンジジュース」

「はい」

ジュースを渡して、私の隣に座り込む ぬいぐるみ。

器用にも、缶のプルトップを開け、ポカリスエットを飲み始めました。

それも「ぐびぐび」と喉を鳴らして。

私は、ぬいぐるみのお尻のあたりに注目します。

しかし、ポカリスエットが漏れてきて、水たまりが出来る様な事は、ありませんでした。

「…お腹の中は、どうなっているのだろう?」

その光景を見ながら、私は考えます。

「どこか別の世界にでも、通じているのだろうか。。。」



ぶたぶたの休日 (徳間文庫)
矢崎 存美
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2013-02-01

    

    
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