銀曜日の戯言

領国は越前敦賀 官位は従五位下 官職は刑部少輔

「契りあらば 六の巷に まてしばし おくれ先立つ 事はありとも」

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当ブログでは、コミックや文字本の、興味深かったエピソードや、個人的な駄文、オリジナルの作話を掲載しています。

十三妹

欲深い男。

昔、欲深い男がいました。

ある日、男の弟が死んでしまいます。

死んだ弟には、大層美人な奥さんがいました。

欲深い男は、弟の奥さんを、そのままにしておくのは勿体無いと思います。

そこで男は、隣村の金持ちの男に、弟の奥さんを売っぱらってしまったのでした。。。

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欲深い男は、隣村の金持ちの男に、弟の奥さんを引き渡そうとします。

強行すれば、死ぬ勢いで抵抗する、弟の奥さん。

男は、ある計画を立てました。

弟の奥さんは、毎朝の日課で、必ず自宅の裏の畑に出ます。

そこを、買主の金持ちに、拐わせる事にしたのです。

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ある朝、金持ちの男の手下達は、畑から女性を拐いましたが、拐われたのは、弟の奥さんではありませんでした。

拐われたのは、欲深い男の妻だったのです。

その朝は、弟の奥さんは、体調が思わしくありませんでした。

代わりに、欲深い男の妻が、畑に出ていたのです。

実は、欲深い男の妻も、かなりの美人でした

「畑にいる美人を拐ってこい」としか言われていなかった、金持ちの男の手下達は、疑う事なく、欲深い男の妻を拐って行ったのです。。。

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欲深い男は、自分の妻が行方不明になってしまった事で、その事に気が気付きます。

「拐われたのは、自分の妻なので返してくれ!」

男は、慌てて隣村まで行って、掛け合いますが、何処に そんな証拠があるのかと、金持ちの男に、取り合って もらえません。

そして、自分の奥さんから、言われてしまいます。

「おまえなんか見た事ないし、知らない!」

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数日後、欲深い男の妻と、弟の奥さんは、2人で誘い合わせて、何処かに逃亡してしまったそうです。。。



十三妹(シイサンメイ) (中公文庫)
武田 泰淳
中央公論新社
2002-05

    

    
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箱。。。

ある日、男は何故か、自宅の床土が気になります。

そこで男は、床土を掘り返してみました。

床土を掘り返してみると、箱が埋まっています。

蓋を開けると、中には一杯の宝石。

男は急いで、母親を呼びます。

箱一杯の宝石を目にして、母親は男に言いました。

「その宝物を自分達のために使うなら、神明様へのお供えが必要だ。」

男は、夜も明けきらない内に、肉屋に向かいます。

お供え物の『豚の頭』を買うためです。

注文を聞いた肉屋は、一旦店の奥に引っ込むと、手に布包を持って、出て来ました。

『豚の頭』が入っていると思われる布包を、肉屋から受け取り、男は家路に付きます。

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血まみれの包を持って歩いている男を見付け、役人は声を掛けました。

役人の求めに応じて、男は包みを開けます。

包みの中身を見て、息を呑む2人。

中には、髪を振り乱した、血だらけの女の生首が入っていたのです。

男は、役所に連行されてしまいます。。。

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役人の取り調べに、男は答えました。

自分は、肉屋で『豚の頭』を買っただけだと。

その男の言葉は、肉屋に否定されて しまいます。

自宅で男が発見した、床土に埋まった箱も、役人は調査しました。

中に入っていた宝石を調べてみると、すべてが偽物だと判ります。

そして、箱の下から、首のない男の胴体が見つかったのです。。。

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捜査の結果、殺人をしたのは、男の家の大家だと判明します。

男が家を借りる前から、死体は もう埋められていたのです。

埋めたのは、死体処理を言い付けられた、大家の使用人でした。

胴体だけを埋めたのです。

首を水銀漬けにして、箱に入れて手元に置いて置くために。

それは、使用人の、自分の身の安全を守るための手段でした。

ところが、その首を、使用人は持っていないと言います。

…泥棒に盗まれてしまっていたのです。。。

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使用人から首を盗んだ泥棒は、後日、捕まりました。

泥棒は、盗んだ首を、どこかの家の庭に放り込んだ様です。

捜査の結果、首が放り込まれた家が判ります。

首が放り込まれた家に行くと、首は処分されていました。

家の主人が、自家の小作人に金を与えて、処分させていたのです。

場所を、小作人から聞き出し、役人は首を掘り返しました。

掘り返すと、首ではなく、別の男の死体が出て来ます。

それは、小作人の又従兄弟の死体でした。

作業を目撃され、恐喝された小作人が、殺して埋めていたのです。

死体の下を探すと、そこから、盗まれた男の首が出て来ました。。。

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最初に発見された女の首の胴体は、肉屋の庭から発見されます。

それは、女郎に売り飛ばされそうになって、肉屋に逃げ込んだ女でした。

手篭めにしようとした肉屋が、脅しで振り回した肉切り包丁で、本当に女の首を切り落としてしまっていたのです。

そして、『豚の頭』を買いに来た男に、何故か売ってしまった…

もし肉屋が、女の首を、胴体と同じように埋めてしまっていたら、肉屋の犯罪はもとより、芋蔓式に引き出された、複数の死体の件は、役人の目に止まる事は、無かったのでしょう。。。



十三妹(シイサンメイ) (中公文庫)
武田 泰淳
中央公論新社
2002-05

    

    
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科挙の答案審査。

「ふうん。これは今までの中では、最もしっかりした文章だ。文才も見識も、兼ね備わっておるし、あわてずさわがず筆を進め、しかも古典からの引用句の選定にも、なかなか注意深いし」

科挙の答案審査していた博士は、そう判断し、審査委員会でへ回す答案として、それに添える批評文をしたためました。

「…しかし、待てよ」

自分の責任で通過させた答案が、委員会で揉め事を引き起こし、自分の手落ちと決まって、恥でもかくようになったら、不味い立場になります。

すこしでも気になる答案は、責任問題から逃れるために、不合格として闇に葬ってしまった方が良いのです。

「本当に実力のある男だったら、俺が落第させたって、次の回で合格できるはずだ。うますぎる文章と言うのが、大体、危険のもとだからな」

そう呟いた彼は、落第の印の青い丸を書きなぐって、その答案を、卓上の不合格側の山に押しやります。

おびただしい答案の審査は、博士を神経衰弱にしていました。

卑怯とか臆病というよりは、神経衰弱のなせる技で、彼はそれを行ったのです。。。




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武田 泰淳
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