銀曜日の戯言

領国は越前敦賀 官位は従五位下 官職は刑部少輔

「契りあらば 六の巷に まてしばし おくれ先立つ 事はありとも」

ご訪問、有難うございます。

当ブログでは、コミックや文字本の、興味深かったエピソードや、個人的な駄文、オリジナルの作話を掲載しています。

新婚物語

もう12個も。。。

「それで、何、結婚以来、もう12個もコップ割ってるの?」

母親に追求されて、娘は弁解します。

「ま、それだけちゃんと家事をやってるんだって評価してちょうだい。コップだって、別に洗いものしなきゃ割れないんだから」

「わたしはもう30何年家事をやってますけどね、まだ12個もコップを割ってないとおもうわ」

「まあまあ、その、人間には向き不向きってものがあるし、あたしの方がまだ、おかーさんにくらべれば、料理に向いてるっていえるし」

「でも、掃除も洗濯もアイロンかけも食事の後片付けも繕い物も縫い物も、その他すべて、調理以外の家事は、全部、お前に向いてないんじゃないの?」




    

    
★過去の作話★

「1日1回」クリックお願いします!
にほんブログ村 漫画ブログ 漫画備忘録へ

殉職…

「…結婚祝いでもらったコップなんか、もう12個も殉職してるしなあ…」

母親は、娘の言葉に引っ掛かったので、確認します。

「え?じゅんしょく?コップがじゅんしょくって…コップに潤色なんかしてどうするの?」

「字が違う、字が。コップに潤色するんじゃなくて、コップが自らの職業に殉じたの」

「コップが自らの職業に準じるって…」

「最初はね、あたしが洗ものしていた時にお亡くなりになったコップは『業務上過失致死』で、あたしが殺したって言ってたのよね。でも、そうすると、どうも、あたし『業務上過失致死』ばかりやってるんで、最近では、お亡くなりになったコップについては、主語を『あたし』から『コップ』に置き換えて『コップが殉職した』って言い方にしてんの。ね、この方が、表現がおだやかじゃない」

「…おだやかも何もね、そういうのは、まっとうな日本語では『おまえが業務上過失致死を犯した』んでも『コップが殉職した』んでもない『おまえがコップを割った』って言うんです!」




    

    
★過去の作話★

「1日1回」クリックお願いします!
にほんブログ村 漫画ブログ 漫画備忘録へ

本物のクーラー。

ある夫婦の寝室に、念願のクーラーが設置されました。

「クーラーだ…ほんとうに本物のクーラーだ…正真正銘の、つけると涼しくなるクーラーだ…」

旦那さんは、顎を心持ちあげた正座の姿勢で、視線を正面の壁のクーラーに据えて 、感動の声を漏らします。

「クーラーだ… ああクーラーだ、クーラーだ…」

奥さんは、その呟きに、思わずこう言ってしまいました。

「芭蕉かあんたは」

そんな奥さんの突っ込みも、クーラーに感動する旦那さんの耳には届きません。

「僕はずっと夢見てた、僕はずっと夢見てた。クーラーのある生活、クーラーのある生活、クーラーのある生活! クーラーがあると、夏でも涼しい、夏でも涼しい、夏でも涼しい! 夏でも涼しいと、僕は嬉しい、僕は嬉しい、僕は嬉しい!」

両手を胸の前で組み、祈りを捧げるようなポーズを取った旦那さんは『クーラーが来て嬉しい』の独唱会を始めてしまいます。

自分のセリフに合わせて、旦那さんの方が小刻みに揺れ始めているのを見て、奥さんは思いました。

「このままでは、夫が『ミュージカル・クーラーが来て嬉しい』を上演しかねない。」

そんな事態を阻止するために、奥さんは声を掛けます。

「…お願いだから、そろそろ感動するの、止めてくれない?」

「だっておまえ、これはクーラーだよ。待ちに待ったクーラーだよ?」

奥さんがどれだけ宥めても、旦那さんの感動は、収まりそうもありません。

「自分の夫が、クーラーが来たからと言って、踊り出す処だけは見たくない…」

そう考えた奥さんは、相変わらず独唱会を続ける旦那さんに、頼みます。

「…その…ま、当分はないことかもしれないけど、クーラーがきたっていう事実に感動するのにあきたら、お願いだから御飯を食べに降りてきてね。…ね?」

そして、階下の茶の間で正座すると、こう祈ったのでした。

「どうか一刻も早く、夫がクーラーに感動するのに、あきますように。。。」




    

    
★過去の作話★

「1日1回」クリックお願いします!
にほんブログ村 漫画ブログ 漫画備忘録へ

紀之介
★過去の作話★


「紀之介@otn_knsk」で
ブログ更新情報を呟いています。

Twitterをフォローする

ブログで取り上げた本
楽天市場