銀曜日の戯言

領国は越前敦賀 官位は従五位下 官職は刑部少輔

「契りあらば 六の巷に まてしばし おくれ先立つ 事はありとも」

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当ブログでは、コミックや文字本の、興味深かったエピソードや、個人的な駄文、オリジナルの作話を掲載しています。

結婚物語

産毛…

女性は、近日中に式を挙げる事になっていました。

結婚式場から、うちかけを着る際に白粉を塗るので、首筋から背中のあたりの産毛を、当日までに剃っておく様に言われます。

担当者は、「床屋に行けば、どこでもやってくれますから」との説明をしました。

それを聞いて、女性は思います。

「女の自分が、床屋に行くのは、おかしい!」

そして、こう判断しました。

「あの人は男だから、美容院と言うつもりで、間違えて床屋と言ったに違いない。。。」

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美容室に行った女性は、産毛を剃って欲しいと依頼します。

女性の言葉を聞いて、美容師の表情が変わりました。

「それ、法律違反なんでけど…」

「は?」

「どこの美容院が…そんな事してるんですか?」

「─ じゃあ、3日後が結婚式で、式場の方から、顔と首筋の産毛を剃ってもらう様に言われた場合、それを何とかしようとすると…法律にひっかかるんですか?」

「そういう場合は…床屋さんの方に行って頂きます」

「は?床屋さん…」

「はい。それは床屋さんの仕事なんです。美容院では、そういう事はしてはいけない事になっていますので。」

「…そうですか。どうも、お騒がせしました。。。」

美容院の出口に向かいながら、女性は悩みます。

「床屋さんって…女1人で行って良い所なの?」

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結局、自分1人だけで床屋に行く勇気のなかった女性は、翌日彼氏に、行きつけの床屋まで連れて行ってもらい、顔と首筋の産毛を剃ってもらう事が出来たのでした。。。



結婚物語(下) (中公文庫)
新井 素子
中央公論新社
2011-10-22

    

    
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豆腐

最近陽子さんは、夫の正彦くんの、ある弱点を発見しました。

正彦くんに、ある事をしている所を見せるだけで、とにかく謝らせる事が出来ると判ったのです。

密かに陽子さんは、夫婦喧嘩の必勝法を手に入れたと思っていました。

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陽子さんが手のひらの上で豆腐を切る姿を目にして、正彦くんは叫びます。

「わああ、やめろ!」

狼狽えて目を閉じる正彦くんに、陽子さんは確認しました。

「は?やめろって、何を」

「手のひらの上で豆腐を切らないでくれえ!」

「でも…お豆腐って、手のひらの上で切ることになっているんだけど…」

「じゃ、じゃ、手のひらの上で切ってもいい、けど、僕に見えないようにやってくれえ!」

「へ?」

どうして 正彦くんがこんなに取り乱しているのか。

知りたくなった陽子さんは、とにかく目を開けさせ様とします。

「もう目を開けて大丈夫だよ。今、お豆腐切ってないから」

「…ほんとに?」

言葉を信じて目を開ける正彦くん。

「…うああああ」

手のひらに豆腐をのせたまま、陽子さんは包丁を構えていました。

「まだ切ってない、切ってない」

「やめてくれえ!切れたらどうするんだ!」

「包丁使い慣れてるから。自分で自分の手のひら切っちゃうよな莫迦なことしないって」

「僕は、その、包丁が手のひらに触るって言うだけで、もう我慢出来ない」

陽子さんは、包丁の切っ先で、自分の指をつついてみせます。

「うわあああ。やめてくれ!包丁、おいてくれー」

「…じゃあ、ちょっと謝ってみてくれない?」

「は?僕がどんな悪いことをしたっていうの」

「何もしてない。でも、ちょっと試しに謝ってみてくれないかなあ。そうしたら、包丁おくから」

「判った。何が何だか判らないけど、僕が悪かった」

「ん。…はい、包丁、おいたよ」

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正彦くんが小学生の時、家庭科の時間に、手の上の豆腐を包丁で切った同級生がいました。

その同級生は、手の上の豆腐を、叩く様にではなく、引くように切ったのです。

手の上で、血まみれになった豆腐。

それを目撃してしまった正彦くんは、手のひらの上の豆腐を包丁で切る事に対して、恐怖を感じ様になってしまったのでした。。。



結婚物語(下) (中公文庫)
新井 素子
中央公論新社
2011-10-22

    

    
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何でわざわざ…

その女性の自宅から東京駅までは、西武池袋線の最寄り駅まで7分歩けば、西武池袋線で10分、丸ノ内線で20分の、およそ40分弱で行けます。

ところが彼女は、自宅から有楽町線の最寄り駅まで、迷いながら20分歩き、25分電車に乗った後、2時間半近く迷いながら歩いて、4時間近くかけて、東京駅まで来たのでした。

「…何でわざわざ、そんなうっとうしい来方をしたの」

「あたし、丸ノ内線、嫌いなの。山手線にも、あんまし、のりたくない。でね、それに対して、有楽町線は好きなの」

「電車っていうのは普通、どこかの目的地へ行くために乗るもので、好き嫌いで、より好みするものじゃないんだけど」

「今日は、時間が切羽詰まっていなかったので、素直に好悪の情に従いました」




    

    
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紀之介
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